体温/小川麻由美
目覚めると悪寒がした
体温が何度あるのか知りたくなり
枕元にあるはずの
電子体温計を手で探る
手にしたものは水銀の体温計
脇の下に挟む
3分を待ちきれず
また睡魔に襲われ眠る
自然に起きお手洗いに向かう
耳慣れない音がした
床を見るとコロコロとした銀の粒
危険信号を放つ粒々を
棒で突付くとアメーバ状の動きをする
さてどうしたものか
まずは電子体温計を探し
体温を測らなければならない
案の定高い体温のせいで
また眠りにつき夢を見た
アメーバ状の動物状粘菌がダンスをして
植物状粘菌に姿を変えダンスは幕を閉じた
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