五月にさまよう/まどろむ海月
 
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五月の渚を
散歩する白い幽霊

恋人の笑顔で振り返って
消え去る

 現実ではありえなかった情景に
 こんなにも度々顕われ
 胸を痛ませる




カモメは滑ってゆく
風の大きなうねりを
淡い化粧の水平線
 やわらかな肌の感触
 そして鼓動

 打ち寄せる水色に
 白い足を伸ばして
 君の微笑み
  ほほえみ
  曲線をたどる指
  微かに開き
  潤んだ調べに
  反応する突然の
  フォルテ


  波は繰り返し

  くりかえし 重なって

  かさなって 寄せて

  深く ふかく 

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