薔薇のこと/はるな
 

この季節はシャツの白色がやけに目につく。ころもがえ、おろしたてみたいな青い白や、あせばんだうなじの学生。来る暑さに女の子たちは胸元や腿をあるだけさらけ出すから、肌色が急に増えるのもこの季節。
緑は深くなって、雨はさっぱりと流れる。土が渇いて、空気がじんわり湿る。
いくつもの季節が同じように(あるいはまったくちがうやり方で)すぎていって、色や形を移ろう。わたしはまだここにいる。
あんなに疑いもなく肌を出す女の子たちや、汗ばんだ皮膚の熱や、濃い緑色に羨望を感じながら、厚ぼったい皮にうすぺらいからだを隠してここにいる。
変わる必要がないなら、なぜ色や匂いは移ろうのか。それはわたしたち自身が変
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