クローバー/ルナ
太陽が西に傾き
橙色の弱光が窓ガラスを抜け
誰もいない教室をほのかに染める
グラウンドでサッカーボールを追う少年達
その声が
遥か遠くに聞こえる
教室の後ろの掲示板
はられた絵が眠る
その下のいくつものロッカーが口を閉じる
礼儀正しく整列した机を見つめて
黒板が優しく微笑む
君と交わした約束
君の背中
遠くに感じて
バイバイ手をふる姿が霞む
幼い頃に見つけられなかった
四つの葉のクローバー
今でもどこかで探してる
またね、の言葉を信じて
いつもどこかで
こんな教室のすみなんかでも
淡い期待で探してる
いつでも私は
あの夕暮れ河川敷でしゃがみこんでる
小さな女の子のままなんだと
ひとつ椅子を引くと音がやけに響いて
現実へと戻され
目の前の大きな黒板に微笑み返して
ひとり教室を後にする
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