静寂/小川麻由美
 
夜空の裂け目に祈りを捧げ

彼らは湿地帯を彷徨い

鏡のような水面を呈している

池の畔に辿り着いた

今宵は下弦の月

王の前で繰り広げられる

ガラスの破片の上での

燃え盛る炎のようなサロメの乱舞

ヨハネの首を手にしたサロメの末路

打って変わって訪れた静寂

静寂はそのものなのか

いや静寂はこの世の

ささやかなる音を聞く為なのか
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