銃弾 / ****'02/小野 一縷
 




妄想の残骸と 覚醒の余韻の 間で 猟銃を構え 隠れ 
祈るように 待つんだ 
弱々しくても 灰色や黒色でも やがて射す
光の意味合いを 希望と 呼べるように
狙うんだ
とめどない思考から 沸き立つ 悲しみに塗れた不安 今 一瞬を
一撃で 確実に 仕留められるように
神経の銀色の 一本ずつを 針のように 研ぎ澄まして
絞るように 引き金を 引け


暗い部屋に 銃口から 解れる煙の筋
沈黙に広がる 火薬香
想いの 鉛弾
きみの胸 撃ち抜け



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