ながいき/
砧 和日
崖があり
陸はそこで終わり
振り子運動の仕掛けとして
ボールがひとつ手元にあり
結わかれた紐のもう一方は
斜め上空の
実在しない高さにまで
続いているのだという
手を放すとボールは
何もない方に向かって
坂を転がり続けるように
運ばれていって見えなくなった
ボールは永遠に
戻ってこないけれど
永遠が済んだらちゃんと
戻ってくるでしょう
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