ひなぎく/月乃助
をつなぎたがる あなたの
腕の温かさを思い出しては、
ひろびろと花たちの上に横たわりながら
あさましい夢をみる
少しの悔悟に震えたりして
まだ、そばにいるのですね
私の腕時計は、止まったまま
あなたの笑顔ばかり、花の香りに誘われる
安らかな眠りにつけるなら
もうこれ以上、身を焦がす想いに
胸を痛めることもないはずなのに
これからずっと
解き放たれる刹那
蜂たちに誘われ 白い花の中で、
この身は知らぬ間 恍惚と
光りを遡るように
みだらに昇天していく
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