5.15/依
曇り空の下を歩く人々がいる
それを見ている視点はまだ迷っている
彼なら今をどう語っただろうか
この先をどうノートにしたためただろうか
何にも変わらない
希望のあとの絶望って深い
誰も傷つけたくないのに
日々の痛みに耐えられず泣く
この町にも
金網の向こう側にも
見知らぬ島にも
まだ見ぬ国にも
大切な人がたくさんいるというのに
先生
どうやらまだ帰れそうにないみたいです
傷は傷のまま深く残り
何が辛くて何が恩恵なのか
私を含め多くの兄弟達はもうよく解らないまま
握った拳だけがただ痛い
五月に雨が上がらなくとも
いつか晴れる日が来ればいい
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