この体で/テルテル坊主
 
奇天烈な電波が飛び交う
騒音にまみれた街で
正常に機能する体を使って
私は生きています。

本当に欲しい物なんて
分かりません
でも語らせてください

最後は
海に近い一軒家の二階
窓際のベッドで
さざ波の音に身を聞きながら
今までこき使ってボロ雑巾の様になった
心臓を始め、様々な臓器に
「ごめんなぁ、ありがとう」
と感謝とお詫びを述べながら
夕日が地平線の向こうへ沈んでいくと同時に
呼吸をするのを辞めたい

そして心臓に今まで何回鼓動を打ったか?
鼓動が速くなったのはどんな時か?
あの世で酒を酌み交わしながら
笑っていたい

そのために
この奇天烈な電波が走る
騒音にまみれた街で
自分自身の体で踏ん張って
生きてやる
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