小詩集【寄る辺なき歌】/千波 一也
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一、花占い
仕方がないので
この
頼りない
ゆびさきに
精いっぱいの呪文を
語るしかなくて
それでいて
そんな瞬間が
いとおしく思えて
ならなくて
自分の
横顔をふと
思い描いてみる
これまでに
一度も
自ら
望まなかった
かるくて
重たい
流行
に
そっと
流れてみる
それと同時に花びらは
じつに巧妙に
実を捨てる
それを
見つけたときの
こころの
音を
自分は
まだまだ
あらわせない
当然といえば
当然なのだけど
二、ないものねだり
ねえ、
いつになったら
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