立場/蒲生万寿
涙ながらの主張、露骨に現わすヒステリー
隣の夕餉の臭いも筒抜けに
陽の射さぬ場所が家屋を囲む
持つ者と持たざる者
歴史は正にそれだけに尽きる
賢者の説き明かした法は理解されぬ
未来永劫、理解されぬ
野に咲く花の方が余程、知恵と工夫に満ちているではないか
日よ輝け
何かの為では無く
そのままに
闇に浮かぶ灯火ともなり給え
近所で貧しき民が
恥じ入ることも無く怒号を上げる
それも別に構わない
月は輝く
満月には未だ成らずとも
星は瞬く
遠い光は届いているぞ
私は持たぬ者の
拙い言葉を書き綴る
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