方丈記/m.qyi
 
はそういう学者が持っている情熱というものが大好きである。理知的な構築も世紀の大発見も大切であろうけれど、音を鳴らす千本のパイプのオルガンのブーブーは神様だと思うのだ。そういう楽器を弾く人がいる。

さて、そういうちんぴらのぶった話は耳が腐るので、分相応に話せば、読んでいたとき、ある下りに思い当りがあった。その思い当りというのは、

鴨よ:芸はこれつたなけれども人のみみ転ばしめむや鴨の水掻き

とかというのだ。転ぶというのがおもしろいなとは思ったけれど何てこたあねえだろう。石原大介という人だが、高卒か高校中退のお兄ちゃんだった。こういう不遜な言い方をする奴を世間は憎むだろう。僕は、別にそ
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