方丈記/m.qyi
これも、これは僕の悪趣味と無知が故のことだ。そんなちんぴらの僕だからとっかかれなかったということもある。
方丈記を実際に読んでみると筆の運びに力があり読まされてしまう。一気呵成にと神田(秀夫)の解説にあるが、もしそうだとすれば書く前の思念には強いものがある。構成としてはきちんとしている。戦争に触れないというところ、これは考慮に値する。書名からして住まいにこだわるところは上記の僕の先入観もあながち事実の一つの側面を見ていることになるかもしれない。大福光寺本という古本が長明直筆だろうと神田が言うが、考証する力を持たない僕が言うことは何もないが、その筆致を見るとなるほど唸らされるものがある。僕はそ
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