潮干狩り/salco
 
の日のようにうららかに晴れた今日、潮干狩りに出掛けた家族はあさ
りに砂を吐かせて今夜は贅沢な潮汁と炊込みご飯か皿に大盛のボンゴレ
・ビアンコか、コック役が遠出で疲弊していなければ、そんなメニュー
にありつくのだろう。
スーパーで買えば1パック2〜300円で済むところを2kgの採掘権
に1400円払い、その2kgの重量の、恐らく60%近くは殻が占め
るという事実以前に、往復の交通費、食事代を加算すればどちらが損か
は自明であるにせよ、地元漁協が早朝にばらまいた貝の幾たりかと、一
望潮の引いた海浜での半日を心に持ち帰り、こうして40年近くが経っ
た今も尚、カルガモの如く子を引き連れ遠路出かけた今は亡き親への感
謝や濡れた尻と痺れた下肢の悲哀がしっかりと残るのだから、潮干狩り
けだしおそるべし、ゆめゆめ侮るなかれ、である。

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