『鈍色』/
あおい満月
刹那の隙に覗く空も
今日は鈍色
目を閉じても
訪れない森のなかで
息をする音を探す
何かを発したくても
伝えられない感情が
冷たいシーツのなかで
絡まり縺れ合う
感情だけが
激しく穏やかに南下していく
真昼の太陽
その足もとに
玉葱の月
無気力な左手が
握るは週末の足音
昇る地下鉄の階段
手を伸ばす
鈍色の空
2010.5.4(Tue)
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