現代思想に関するスケッチ(2010/05/04)/藪木二郎
 
とからしか、始められないんじゃないの?」
 とか言い返すことになるわけだけど、それに対してもしたり顔で、
「──と、あなたが考えているということからしか、始められない!」

 一度だけだけど、そいつとちょっとだけマトモな会話が成立したかな? って思えた時があったんだけど、そん時はそいつのほうが、「生活世界の植民地化」とかなんとか言ってきちゃってて、
「おいおい、その『生活世界』ってのはなんなんだよ? 全てはドクサで、僕が、──と考えてるということからしか、始められないんじゃなかったっけ?」
 って聴いてみたら、
「僕はね、あなたみたいに、何かを実体視してモノを見たりはしないんですよ!
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