ある晴れた午後 /木葉 揺
カーテンから漏れる日と
液晶の画面だけ
私の顔を照らしてる
胸に鉛を抱えたまま
キーボードを叩いた
誰も・・・誰も・・・
ビシッ!!
不意に胸を射抜いた音に
窓の外を見る
ああ、一軒向こうには
職人たちの仕事の音が!
ギギギギー!
木材を切り続けてください
お願いもっと
つんざいて つんざいて
その金鎚で打ちつけて
もう二度と釘が出て来れぬよう
ガンガン ガンガン
眩暈がするくらいに
それでも腕は
光の線に手を伸ばし
声を探してる
ベランダに出て手を振れば
何かが始まるというのに
空の下
ごつごつした世界が待っているのに
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