おんなじきもち/松本 涼
 
こどものわたしの
ちいさなきもちは
いつもひとり

だれといても
どこにいても
おんなじきもちが
みつからない

おんなじきもちに
あいたいな


すこしおおきくなった
わたしのきもちは
おんなじきもちと
ばったりであった

ふたつのきもちは
びっくりしちゃって
いっしょにないた

それからはじめて
いっぱいわらった


おとなになった
わたしのきもちは
ちがうきもちと
いっしょがおおくて
おんなじきもちと
なかなかあえない

だけどときどき
あえたりすれば
どこでもいつでも
おんなじきもち

てじなみたいに
あっというまに
ふたつのきもちが
ひとつのきもち


おんなじきもち
いちばんしあわせ

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