夜霧/山崎 風雅
 

 淋しい顔たちが夜の街角で通りすぎる

 有能の素振り
 すれ違う心
 隠した本能
 暴く神々
 ため息の人々
 溢れる絶望
 街に溺れる

 
 月が凍る夜

 へんな春の終わりの夜

 
 ひとり見上げた陸橋から青白く明かりに冷たく立ち昇る霧

 引き裂いて走る車

 流れるヘッドライトが照らしていた硬いアスファルト

 
 
 静寂が訪れた後に

 また闇が追う








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