粘土/tomoaki.t
 
ってもいい
いいとは言え、今の私にはなにも言えず
粘土が幾人か 私の知らない国のことばで
悦ぼうとも 叫ぼうとも
万一 恥じようとも
どこかで見た、厳かな振りをして、知らない国のことばを
   (間違いなく、知らない――)
草はことばとなり、
水に合わせて息をし、間もなく息たえて
汚れた架空のイメージを、私の許可も求めずさらに汚し
   (元から汚れていないのが想像できないくらいで、
    却って美しいと思えなくもなかった)
幼い私はそこで止まると
止まり切らずに捻じ曲がっていた



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