ガールフレンド/済谷川蛍
 
着いた。彼女のほうから話しかけてくれないと、俺は何も喋れない。彼女もそれについては十分わかってるはずだ。俺は手を何度も組み直しながら、一生懸命話題を探した。
 「いつまで、いるの」
 俺は本当は知りたくないことを、恐る恐る聞いた。
 「さー」と彼女は窓のほうを向いたまま言った。
 ほっとしたのもつかの間、「でももーそろそろかな」と彼女が言った。俺は衝撃とともに大きな喪失感を感じ、絶句した。
 「寂しくなるね」
 寂しくなるのは俺のほうだけだった。喉が窮屈になって何も言葉が出ない。泣くんじゃないかと思った。
 「距離が近づいてきてるのよ。あなたのほうだけじゃなく、わたしの
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