歩く事そのものが/落とし子
歩いてて思うのは、
この道がどこに続いてるかって事。
今、ビルの向こうに海が見える。
霧にかすんで現実に思えないけど
それでも、
不思議だ、
いつかは着く。
実際に着くんだ。
右手には見慣れた川、
左は渋滞した車の列、
君は左に行った。
(右だったか?)
僕はまっすぐ行ってみるよ、このまま。
歩きでね。
そっちは、そっちで
何かあるだろう?
海みたいなもんが。
そう、どこかのだれかから見れば、
僕らは大差ない。
もしかしたら、
回り回って
また会うかもね。
そう思えれば、充分だ。
君は君、僕は僕で
そのうち、
歩く事そのものになるだろう。
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