贅沢について/nick
 
夜の自由を机に並べて
いつまでも黒髪を銜えていると
あきれた午前3時が私の肩を叩いて
寝ないのか、と囁く

お前がうらやましいよ、
動けなくなった私に午前3時は言う
自由も哲学も持っている
おれとは違ってどこへでも行ける、

いつか垂れるこの胸にも
鼓動は棲み続けるのに
外はなんて寒いんだろう

優しい人の話をしながら
私たちの時間を閉じていく
冷たい空気が欲しくて手を伸ばす

満ち足りた日々にも落とし穴にも
知らんふりをして歩き続ける
これはただの成長だから
過ちを森林に隠してきてもいいかもしれない

目を開けていられない私に
明日はギターの弦を張り替えよう、
それだけ言って午前3時は
頭を優しく撫で続ける
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