how (for cat) to die 上/Oz
 
草の茂みから
ノロノロと猫が這い出してきた
首輪を着けているため
野良猫では無いようだ

その瞳は淀み
焦点は定まっていない
コチラに向かって歩いて来ると
僕の気配を感じたのか
顔を向けた

その目は僕を見た
そこには何の意味合いも感じられず
ただ漠然とした
「見る」だった
ニャーンと力無く鳴くと
そこに静かに踞った

きっと僕らは出会うべきでは無かったのだろう
いや、それとも出会うべきだったのだろうか
猫は死期を感じると
飼い主の元を去るという
最後の力を絞りきり
死を目前とした時
そこに何も関わりの無い者が立ち会ったのは
幸か
不幸か
ただその目には何かしらの力強さが感じられた

とりあえず
僕は今仕事に向かう途中なのだ
何があろうと
それは行われなければならない
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