骨壷/
within
積年の黒くかびた墓を
新しく建て直すために
取り出された骨壷
つるりとした陶磁の表面は
寒々しく
気を抜くと体温を吸い取られそうで
鳥肌が立つ
生きていた頃よりも
死後の青みががかった色のない肌が
よみがえってくる
自分の死よりも
他人の死のほうが悲しいのは
やはりこの世に残される孤独のほうが
重いからだろうか
戻る
編
削
Point
(7)