わかることわからないこと(1)/クローバー
 
隊ヒーローは集団で怪人を痛めつけるというのに。
そして、
「短気は君の欠点だ。相手の気持ちになって考えてみなさい」
と、言うのだ。
今なら言いかえせる。
「一般論からの決め付けは、あなた方の欠点だ。僕の気持ちになって考えてみなさい」
そして、僕は、言い返さなかったので、考えた。
卑怯なまねをしてまで、物事を自分に良いように進めようとする人の気持ちは、どのようなものか、を。
僕だったら、自分にも絶対に許さないような、ルール違反をしながら(それは、ゴミのポイ捨てだとか、ドッチボールの線を越えて、当てたにも関わらず、それを申告しないとか、そういったものだったけれど)黙って、ニヤニヤしている、別におかしいことなんかしてないよ、ふつーだよ、ふつー、と言ってしまうような人の、気持ちを。
大人の前で、自分がいかに不利益を被ったか、僕がいかに理不尽な行いをしたか、のみ訴えて、自分の行為は、黙っている、そんな気持ちを。

そうして、わかったことがある。

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