『ぶろっく』/あおい満月
sei-genという太陽に
焼かれながら日々を歩く
パルスウィート入りの烏龍茶で始まる朝
一日480Kcalしか摂取出来ない細胞が
活字の海をずるずる歩き地下鉄に乗る
一日480Kcalしか摂取出来ない鏡に映る
欲しがる手がコンビニの総菜を見つめる
表示にボーダーラインなどない
日本はいつから
計測を忘れたのか
死ぬのも自由、
生きるのも自由、
AかBかを選びなさい、
はいかいいえで答えなさい、
資本主義ほど
選択の自由が多すぎる
自ら定めた制限が
環になり拡がり
奈落をつくる
一日480Kcalしか摂取出来ない諦めと
絶望と膨大な欲望が首を絞める
せめて、この髪を切ってしまえば
白線の内側に戻れるだろう
パスケースの中の
円く鈍い黄金色が
にやり一人笑う
2010.4.10(Sat)
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