桜傷心/tomoyan*
 
触れた指先についた

微かな傷みは


徐々に広がる

静かな想い


春宵【しゅんしょう】の風に

揺れては 舞う

桜の花びらに


解かしてゆく 


昔の記憶


振り返ることはしないと 

誓った あの言葉は




時制の闇の中で


藻掻【もが】いていた





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