レンズ/しべ
ハッカの花びらは
剥けて落ちるので青白く
外浪逆の上で
灯火の撒き餌になります
数滴
冷たい風にのって
持ち上がるのは
それは
大雪加です
見上げるほどに甘ったるい
葛の煙突に
ガスが
巻かれ巻かれ
逆巻いている
ゆらゆらと
散って 鳥葬のようで
雨水もハッカの色の
コンビナートも
僕には
見えてます
３キロも
２キロも手前に
あるかのよう なのに
暗い青だけ
とてもとても遠いから
心細いです
目眩も
餌も探して
水面はまるで
糸のようで
こわくて
こわく
心細い
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