FREE HUGS・?/高梁サトル
激もなく、自分の気持ちの穏やかなことに驚いた。
これから暫くの間、日本の喧騒から逃れられるのだからもっと嬉しがるのかと思っていた。
…と、自分を他人のように扱うのは私のよくない癖かもしれない。
昨夜寝てないので疲れたのか、眠気に誘われるように目を閉じた。
pm15:00 香港に到着。
香港大学の生協担当の学生による市内案内が、バスで4時間ほど行われた。
大きな建物の窓々から沢山の洗濯物がさがっている光景や行き交う人々の聞きなれぬ言葉が、かろうじてここが日本でないことを感じさせる。
「こんにちは、ひとりで観光?」
ふと頭上から落ちてきた日本語に顔をあげると、そこには色白でメガネを
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