地平の太陽 /服部 剛
愛という名の幸せは
子供の頃の玩具みたいに
容易く手には、入らない。
枕辺を涙で濡らした、明け方に
開いた窓の隙間から
朝の風はすでに、カーテンをそよがせ
どしゃ降りの雨にずぶ濡れた
昨日は昨日の場面として
くっきり背後に、線を引き
君よ、尾をひく事なかれ・・・!
薄っぺらの寂しい座布団の上に
胡坐をかいて座る君は、やがて
揺らめく朝陽を睨んで、立ち上がる。
一日の場面の内に
一瞬輝く、シャッターチャンスを求めて
哀しみのもっと先へと
君よ、今日という日を闊歩せよ・・・!
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