Flying Cats/Oz
寒い
だから余計目は開かない
遠くの方から誰かが僕を呼んでいる
そっと
頬を叩いている
猫が空を飛んでいる
1匹じゃない
何匹もの猫が
鳥が飛ぶ代わりに猫が飛んでいる
僕は喉を鳴らして
猫を呼ぶ
「ゴロニャーン」
コチラを一瞥して
何も無かったかのように
何処かへ
スーパーマンみたいな格好で
前足と後ろ足をピンと伸ばして
方向転換する時は
シッポで舵をとる
そんな風に
猫が空を
あっちへ
こっちへ
つまり、これは夢ってこと
こんなあからさまな夢は
現実を逆に強固なものにする
それに誰かが僕を呼んでいる
はいはい、起きますよ
それに
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