ウイリーの風/剣屋
全身黒ずくめの三人がその中を単車で通り抜け、広場に併設された駐輪場に到着した。この付近だけは夜間でも申し訳ばかりの照明が灯っており、ほのかに明るい。
十九歳のファッションモデル、キリコはデビル管を装着したGPZ900Rニンジャを駐輪場に停めた。ヘルメットを外すとアプリコットブラウンの長い髪を両手でなめらかに梳き、華奢な両肩にさらっと流した。触れてはならぬような禁断の美しさを誇る両脚を細く開く。両手を星空の輝く真上に伸ばしながら夜風に当たる。黒のローライズパンツと黒のタンクトップは、びっしょりと玉のような汗で濡れており、艶めかしい。
キリコの横で、二十歳の大学生ゼロと二十二歳のヴィンテ
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