腕とナイフ/Oz
 
を感じた

ナイフは
ハロルドの右腕を裂いた
それは利き腕だった
血は滴り
辺りを覆った

ハロルドは右腕を失った
しかし
後悔はしなかった
右腕を裂いた時
言い様の無い
絶望と
言い様の無い
悦楽があったから

でも
仲間達は
ハロルドの元から
去ってしまった
ハロルドは一人ぼっちになった

ハロルドはある日
夢を見た
夢の中では
右腕は存在していて
ありとあらゆるモノを
裂いた

ハロルドは
飼い主の見当たらない
盲目の猫を引き取った
その猫は18歳まで生き
生涯
ハロルドを愛した

その後
仲間と和解した
猫に対す
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