凝視/あおば
100403
表面から融けだして
底まで達すると
真っ黒な地面が現れる
雪が溶けた
春が来たと思う
草が生えて
花が咲き
枝が茂り
初夏を迎える
梅雨が終わる頃には
セミ供が喧しく鳴き出して
夏の盛りを宣言する
その後は雪が降り積もるのを待つばかりだと
キーボードが結論を早めた
そこまでで時間を使い果たしたのです
電源を切りますから
ご承知置き下さい
二次電池の容量は45A/Hなので
バックアップは録れませんでした
幸運を祈るとの声を聞いたような気がしたが
ディスプレイが切れて
静かになった
春
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