((心E/D房))/高梁サトル
 
ように
ただなめらかでやさしいだけ

未完成の美しさや正しさは
爛熟された季節を味わう為に用意された前菜で
それをいつまでも希求し続けることは
朽ちていくことと
さして変わりないんだろう

カーマ・ストーラでも読もうかな
真剣に



携帯をサイレントにし忘れた日は
何もない場所で躓いた気分になる

僅かなリダイヤルボタンを押す力も
極力明日に温存したい夜に
話しても疲れない相手は数人で

その中にきみの名前がある



「動物の中にも増えすぎた群れでは、子供を殺す大人がいるんだってさあ」
「なに、サイコな話はよせ?」
「無理だね、今日は機
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