((心E/D房))/高梁サトル
 
{引用=
繋ぎたい手をわざとに隠す
距離に焦がれる眼球を
胸に取り込んでベッドまで持ち帰る
ランプの灯りに意識を漂わせて
アルコールを一口舐める
(あの丸くて柔らかいの欲しいな)
(ホルマリン漬けにして枕元に飾りたい)

人間は独りじゃ
どうしようもなく寂しくて
二体一対
離れ離れになった片割れを
呼び合うようにできてるんだって
“汝等、愛せよ産めよ増えよ”
に基づいた
アレだと思うんだけど、ね



あ い せ な い
ふ の う し ゃ の
れ ん あ い の ス ス メ



撫ぜるだけの世界の表面は
端正な造形を包むきみの皮膚のよう
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