ハッピーエンド/高梁サトル
{引用=
嫉妬に狂った女が送ってくる
ヒステリックなメール
私が貴方の何かを奪ったのだという
よく分からないのだけれど
だとしたら謝らなくては?
ごめんなさい?
違う、もっと別の
そう、
「貴方が懸念するような行為もこころもありません」
「何もないんです、私」
けれど
貴方にそんな汚い言葉を使わせた
私は責めを負うべきです
罵って罵って
それで気が済むのなら
それは貴方に必要なことです
とても大切なことです
“泥棒猫”って初めて聞いた
私の声に出して読みたい日本語のひとつだった
これはコメディ
ノーフューチャーに酔ったふりした
朝には忘れ
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