雨/蒲生万寿
 
雨よ

もし私が倒れたならば

私の上に降りしきってくれるか

花を咲かし

木を育て

生命を司る雨よ

お前の一粒一粒が尊く

その、あたたかき粒を

私にも与えてくれるか

私は肉を地に返し

心を天へ昇らそうとしている

雨よ

慈しみ給え

きれいに

返すべき処へと返し給え

我を御身に委ね給う

雨よ

もし私が倒れたならば

私を包むが如く降りしきってくれるか

雨よ

お前の止むとき雲は切れ

その間より光は射し出で

私はお前と共に導かれ行く

お前に包まれたまま

西へと沈み行こう

日の本へと去り行こう

戻る   Point(1)