影を落とす/■■みかげ■■
 

青春という実を掲げて

太陽に照らす


まだ青い脈が音をたててその存在を示す


その存在を受け入れるには

何度深呼吸しても
何度覚悟をしても

体が震えたもので


やがて
太陽に照らされていたのは自分の手だけだった


あわてて振り返ると

そこには灰色にしおれた青春の実が転がっていた

踏まれて

傷をつけられて


忘れられて



そして照らされた手には

薄汚れた「知恵」が握られていた



やがて影をおとす


何も残らなかった未来が


影を落とす



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