流れる/■■みかげ■■
虚しい朝はいつもひとりだ。
まだ始発ががない朝もやのなか
途方に暮れたような。
泣きはらしたような。
ちゃんとあきらめがついたような。
あんなに泣いて怒って
酒の力までも借りて
そこまでして
あたしは何を望んだのだろう。
思い出す光景はいつも
夜だった。
あの静かな暗闇の中で
遠ざけるように
どこに何を押しつけていたのだろう。
すがるほど願うことなんて
きっとないのに。
それでも
ちゃんと訪れる朝に
涙が出るほど安心するんだ。
時間は流れる。
ちゃんと流れる。
だから大丈夫。
こんな朝もやのなかのあたしを
引きとめたりなんかしない。
流れる為に
また生きていく。
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