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しべ
文字もなく
舌根支える力もない
8両編成があんな赤い帯だったか
そんな些細な疑問が突っつく
みんな枯れ
上空三百メートル
黄砂のまんなか
あるのは火の警告灯だけ
衝突する風でホームを支える鉄骨が揺さぶられ
梅の花が散り
乳をこぼしたように
斑点が咲く
昨晩
雨に叩きつけられた藍色のジャケットが
白く染まり
人々の 息と両足が
瞳孔が
発車を告げ
髪をくしゃくしゃにした風と海に落ちた
ひとつだけ残し
結局のところは絵空事
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