叶わない願い/桐谷隼斗
終わりのない貴方の肌を必死に捕まえようと
夜が明けてしまう前に 癒されない 私は
時間は無垢である そして残酷だ
ここは砂漠 灼熱/酷寒
過ぎていく焦燥の中で私は何を掴み取り何を遺棄したのか
指の隙間を零れ落ちる輪郭 掴みたいという切望は
貴方の唇に吸い取られていく
舌の根は渇いたまま 聖域は丁寧に穢される
そこでは時間が死んでいく ひっそりとしかし一歩一歩
向かえば向かうほど向かうべき道を失っている
朝が近い 貴方は服を着ている
貴方は街に向かおうとしている
街/私の境界線 貴方は戻る
私は再び 捕らえられなかった時間を嘆く
今日も 砂漠の中で 夜を待つ
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