大蒜味噌/ふくだわらまんじゅうろう
 
断食あとの
大蒜味噌
茹でたキャベツに
御飯を巻いて

そうさ
おいらは
何も信じちゃいなかった
誰を敬ったりもしていなかった
田舎のやくざのそれと同じに
脳味噌忘れて
突撃
かましたりなどできなかった

そんな中途半端なまんまで
おいらはそこに居続けた
キリストが
空から降ってきて
おいらを叱った
「大蒜の
味噌のこころが
汝にわかるのか?」

わかりゃしないって
こんな
ボンクラに

何がわかるってんだい?
おいらにわかるのは
大蒜味噌の
あの旨さ
おかみさんがつくる大蒜味噌の
あの
何処にも売ってない
誰にも造れない
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