悲しいことがあると僕はいつも/花形新次
 
いと、わりと歳の近い父は仰りましたが、私はやっぱり艶っぽい字の集合体を書いて自分でも変なことができればいいなあと考えていたところなので、「その意見には、承服できかねる。」と機会があれば崖から突き落としてやろうと、虎視眈々とねらっておりました。
 しかし、最後には、やはりお父上やお母上やさなえさんの悲しい顔が、とても悲しく思えたので、悲しい思いをさせるぐらいなら、いっそ私が悲しむぐらいでちょうど良いと思いましたので、私が悲しむことに致しました。さなえさんも道連れです。

 まあ、色々あったんだけど〜、いいじゃん、そういうことで〜。
 私は縁あって、相撲取りの手相を見て、その相撲取りがどこまで番付を上げられるかを占うという、所謂部屋付き占い師として、てっぽう稽古で手のひらツルツルの毎日です。
 

戻る   Point(3)