悪ふざけ/中原 那由多
 
花園に対する興味を失ってからもうずいぶんと経つが
今更になって入場を許可された
偶然にも暇をもてあましていたということもあり
成り行きでそこへ向かうこととなった
かつて想像していた光景ほど色鮮やかなものではなかったが
所々に散りばめられたアクセントには
甘さ控えめな遊び心が込められていて
かえって緊張感を煽られた


浮わついた発想を張り巡らせていても
秒針回転運動は常に冷やかでいてくれる
些細な愛が引き金となったからこそ
ここと一体化することを企んだが
子供騙しな手品のトリック程度に満たされてしまったから
未遂でもへらへらと笑っていられた



遠くを見つめ
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