夥しい静寂の / ****'02/小野 一縷
弱々しい光が まどろみに咲く
鈍く 浅い眠り
左右に滲む 時計の針音
指輪の中に 溶ける指
白い時間に
記憶が 目覚めの中に ほどける時
物憂い 発光は ぬるい痛みを帯びて
射す
かつて目にした 全てが
編み上げた この思い出の 切れ端に
苦味のある 免罪の 長い影が 暗く 染み込んで
吐き気だ
なぜ?
壁 白い 壁
白い 壁の中の 蜘蛛が 不安に ざわめく
壁の中に 回れ 光
壁面を帆走する 風を受けて
黒い 黒い 染みを 駆逐しろ
そして 今 さあ
床に 張り付いた 十字架の 脊髄を剥がして
その瑞
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