未完 / ****'02/小野 一縷
 

湧き現れる感情よ 脈打つ思考の一拍ずつを 
それぞれの角度から 正確無比に狙撃しろ

正体を撃ち抜かれた執着が 無音で砕け散る
その破片から 無念が幾筋か昇る

硝煙の向こうに 幽かな希望が射している
その淡い光は 多くの記憶を 無造作に連続で照らし出す

ばらばらに連写される 過去を伝っても
何も 何処にも 辿り着くことは ない

この紙の上に 時間は 置かれていないのだから

ただ記された 私は
一行目から 永遠に 此処にいる 



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