going to the moon/チアーヌ
ら、ぼくが八つのときに、病にかかり死んでしまうときにも、これで母君にお会いできると思い、まったく怖い思いなどしませんでした。それなのに、いざ死んでみたら、母君はどこにもいなくて」
「ふうん」
「そんなわけで、ぼくはずっと母君を探しているんです」
男の子は溜め息をつきました。
「どうしてなのでしょうね」
「さあ、よくわからないけど.....そうねえ、もしかしたらわたしも協力できるかもしれないし、手伝ってあげてもいいわよ」
「ありがとうございます!」
男の子はうれしそうに叫びました。
「じゃあ、ちょっと引っ張って。あんたみたいな物怪が引っ張ってくれたら、わたし、この体から抜けられる
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